無題

4ヶ月住んでいるホステルの部屋に新しい旅人が来た。彼はシドニーに2日程度滞在する予定らしい。

そいつと自己紹介をしていたら、「自分はこことここに行くつもりで、シドニーは2日だけで十分かな。次はゴールドコースト!」と言った。僕はここに4ヶ月住んでると答えると、「え、ずっとここのホステルに住んでるの?」と変な目で見られた。

少しムカッときた。

同じ街、ホステルに長期間住むということは、毎日同じジムに行ってトレーナーが自分の顔を覚えてくれて挨拶してくれるようになったり、バッパーに長期間滞在している人と毎日挨拶したり、みんなで草を回して話したり、映画を見ながら世間話をしたり、”hi”じゃなくてその国の言語でお互い挨拶をし合うようになったり、深い仲になった人の恋愛相談にのったり、その人が失恋して泣いてしまったのを抱き寄せて家まで送ってあげたり、家に届ける前に道の途中で泣き崩れてしまった時に自分も一緒に座っていると、”do you have any change”と行ってきた場が悪すぎるし空気が読めないホームレスに遭遇した道路があったり、アイスクリームを食べに行っている最中に恋愛相談に乗ってくれてアイスクリーム屋さんの前で少し泣いてしまったベンチがあったり、毎日通る道にいるクラブのセキュリティの兄ちゃんと通りすがりウインクするようになったり、毎日テイクアウトするカフェで店員さんがだんだん顔を覚えてくれて自分が来たら何も言わずに$5.50と表示されたカードリーダーを差し出してきたり、ナンパして即インスタブロックされた思い出の場所が存在したり、もう他の男と一緒にいる綺麗だった女の子とキスをした思い出の場所があったり、自分が信用できる友達のみと深い話をするお気に入りのバルコニーがあったり、家が見つかってバッパーを出ていく友達と一緒に飲んだイタリアのお酒の味を覚えていたり、そいつらが新しい場所で何かしているのをストーリーで見てほっこりしたり、たまにバッパーに顔を出しにきた時に抱き合ったり、可愛かった女の子に話しかけて仲良くなれたけど、バックパッカー中ですぐに次の都市に行ってしまったからその子のインスタのストーリーを少し惜しい気持ちで時々見たり、
とかをくりかえしてくりかえして、色んな経験をしながらその街と一緒に暮らしていく感覚というか、街が思い出の場所や自分のものになってくるような感覚になってから見える景色や感じれる感覚とかがあると思う。

それをシドニーの主要な観光地を回ってるだけの彼に「ずっとこのホステルに住んでるんですか?」って変な目で見てきて言われたからついカチン来てここまで書いた。

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