サムネのどんぶりめちゃくちゃ美味しそうじゃないですか??
これ僕が働いていたお寿司屋さんのボス(クオンさん)が毎日こういうどんぶりを作ってくれてたんです。お昼休みのサラリーマンがいなくなって一息ついたところで、「温泉卵好き?」って言われて「好き」と答えると「じゃあ明日温泉卵カツにのっけてあげる」という感じで賄いのメニューが決まります。奥さんは違うお店で働いていて、自分とクオンさん2人だけだったのでたくさん気にかけてもらいました。というかお昼を過ぎたらお客さんが全然来ないからやる事がないという状況だったというのもあります。オークランドCBDに住んでる人にしかわからない話をすると、お店はAlbertStあたりにあってあそこは地下鉄のために10数年間工事していて、バリケードを張ったり道が封鎖されたりと、お客さんが来ないような通りになってしまったらしいんです。なのでお昼を過ぎると、明日の賄いの話やクオンさんの家族、友だちの話、オークランドの話(CBD30年住んでるから何でも知ってる)、女の子の話、寿司の話とかで時間が過ぎて行きました。それでもまだお客さんが来ないと、「コーヒーブレイク!」と言い出し、お客さんがたくさんきていた当時に使っていたバリスタマシーンを使ってコーヒーを淹れて2人で30分くらい席に座って再びいろんな話題について話しました。お客さんがたまに来ると「座ってて俺やるから」といい、クオンさんがお客さんの対応をしていました。「、、俺ここで働いているのかタダでどんぶりとコーヒーをもらってこのおじさんの話し相手になってるのか分からんwww」とか思うこともありました。
僕は父親と面と向かって何かを話したことが滅多にというか無いので、コーヒーブレイクの時にクオンさんと机に向かい合い話す時間を毎日毎日取っていると、「ちゃんと自分を気にかけてくれる父親ってこんな感じなんだろうな」と感じたのを覚えています。「色んな国の女の子と付き合え」とか「キャバクラは楽しいぞ」とかそういう話ばっかりだったけどwww
飲食店で働いたのは久しぶりで、経営している人(クオンさん)を近くで見ていてやっぱり思うのは、年老いてきて体力的にきついのに毎日一定量の寿司を作り続けなければお金を儲ける事ができないのは見てて心が痛いです。何というか寿司の値段はずっと一緒で寿司を作り続けたら寿司の売る値段が上がるというわけではなく、何十年作り続けてもどんなに作るのが上手くなっても同じ値段で売り続けなくてはいけないのは、体力的にも精神的にもキツイなと感じました。「毎日毎日夫婦共に朝5時に起きて夜の8時まで働いている」というのを聞いた時はさらに驚きました。僕がクオンさんだったら、自分の奥さんを朝の5時から夜の8時まで働かせなければいけないっていうのは男として奥さんに頭が上がらないし、自分に自信を持てない。。だから自分は将来何かをやったらやった分だけ自分の価値、自分の商品の価値が上がったり、自分が働いていない時も売り上げを上げてくれるような商品でお金を稼いでいこうと強く思いました。キツイっすよ。近くで見ていて胸が痛かったです。「何十年もほぼ毎日働いて年老いてもまだ同じ値段で自分の商品を売り続けなくてはいけないのか飲食店は」と近くで見ていて何度も感じました。
今はもうあそこはクビになって違うバイトをしているんだけど、今でも近くを通るとお店に寄って近況を報告する事があります。そうすると帰りに必ずお寿司をくれます。あと4ヶ月NZ生活が残っているので、後何回かは行くと思います。
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