トロントワーホリをしていた頃、ルームメイトの一人に身長が2m近くあるチリ人がいた。彼の事が印象に残っていて2年経った今でもどうしても頭から離れないのでここに書いて残しておく。
自分が新しいシェアハウスに移った日の次の朝、ラテン系のミュージックが爆音で響いていたので目が覚めた。キッチンに行くとチリ人がその音楽をパソコンから流しながらテーブルに何も敷かずに野菜を直で置いて結構な量の料理を作っていた。彼は週末に一気に月曜日から金曜日までのお昼ご飯を作る習慣があった。その後に彼はお風呂場の掃除をしたりしていた。シェアハウスのメンテナンス係みたいな立ち位置。なお全てボランティア。その後キッチンで軽く自己紹介して分かった事は彼は人の目をしっかりと見て話を聞いてくれる事。たまに目の奥にある魂まで見られているのではないかと恥ずかしい気持ちになったのも覚えている。
彼は39歳でコンストラクションで働いている。ラテン系の人と住んだ事がある人なら共感できるかもしれないが、彼らはほぼ毎日何時間も電話をしている。そのせいで家が静まり返る瞬間がほぼ無い。この彼も例外ではなかった。。まあこれは話の話題とはズレるからここまでにしといて、、
僕にとって彼は年齢的にも、自分が話している時にちゃんと話を聞いてくれるところもあって自分の父親的な存在だった。何かあったらこの人が助けてくれるかもしれないと思っていた。電話毎日うるさいけど良い人だった。
半年以上そのシェアハウスで彼と過ごしたんだけど、(他にもルームメイトがいたが、それは省略)そこまでの期間一緒に過ごすとその人が抱えている闇の部分っていうのが明らかになってくる時がある。今回は彼のその闇を知って「ああ、こうなってしまうと人間って辛いな」と感じたので、そのことについて書いていこうと思う。(前置き長いな笑笑)
彼は草を毎日10本くらい吸う。
ある日それが気になったので聞いてみた。
「何でそんなに草を吸うの?」
そしたら彼は、
「仕事が辛いんだ。現実から逃げたいんだ」
的なことを言っていた。
その時の彼の”遠くを見つめている死んだ魚の目”のような目を今でも忘れられない。
朝起きて吸って、朝ご飯の後に吸って、仕事に行く途中吸って、、、夜も裏庭で吸う。(トロントは合法だったので、普通に街を歩きながら吸うことが出来た)
確かに彼はコンストラクションとして働き毎朝5時に家を出てボスの車が彼をピックアップしに来ているのを窓から見たことも何回かある。確かに朝5時に起きて低賃金のために働きに行って疲れて帰ってくるのは辛い。が、それと同時に彼がこの年齢まで何のスキルも築かなかった、お金を稼ぐ方法を見つけなかった事も原因だと思う。仕事から帰ってきても、音楽を爆音で流したりゲームをしたりしているだけだから、「空いた時間に”何か”をすれば良いのに」「いやもう人生諦めてしまったのかな」とか色々彼を見ていて感じるが本当の事は彼自身ではないからわからない。他に理由があるのかもしれないし、自分の見ていない場所で”何か”をしているかもしれない。
自分の本当の父親も50歳くらいになるが、彼もチリ人と同じように毎朝5時に起きて低賃金の仕事に行く。帰ってきたらずっとテレビを見たりゲームをしたりして現実から逃げている。もちろん自分は彼らより低いほぼ最低賃金で働いてどうこう言えるような立場ではないが、彼らを見ていると「こうなったら人生辛いな」「人生巻き返しする力が草、ゲーム等に全部持ってかれてしまっている」「美人な女の子とデート出来る日なんて来ないな」と思う。
もし自分の仕事に不満があったら、新しい仕事を探すとか、空き時間に何かをしてもっと多くのお金を手に入れようとするとかできると思う。この状況を作ったのは自分だし、落ち込んでても、「疲れた」と行っても美人な女性ではない限り誰かが助けてくれるわけじゃないしお金を与えてくれる訳でも無い、、、って彼らのことを考えてもやっぱり彼ら自身ではないから彼らが何を考えているのかは何も分からない。
でも自分は絶対にチリ人や自分の父親みたいに毎朝特定の時間に起きて特定の場所に行かなければいけない仕事をずっと死ぬまでやり続けるなんて嫌だし、好きな時に好きな場所に行けるようになりたい。もし自分に家族ができたら彼女らに十分な資金で安全な生活をさせたいし。もし自分に妻がいたとして、病気になった時に高額な資金が必要になって自分で全部出せないって状況になったら男として一生なんか深い傷がつきそうだし浮気されそう。
このルームメイトからは「この年齢でこうなってしまったら巻き返せないかもしれないしちょい辛い。だからエネルギーがあるかつ責任が無い若いうちに沢山”何か”をやる事に時間を使ったほうが良い」という事を学んだ。もし自分が30代くらいになって結婚してしまった時に「これやりたい!あそこ行きたい!」って思っても未来の妻に「いやそれより子供のサッカーの試合明日あるから送り迎えしてよ」って言われる前に
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