タバコ、草、お酒は程々にしなければいけないなと学習した時の話です。
オーストラリア来てから4ヶ月。同じホステルに長期間住み、本来の仕事と並行してそのホステルでもパートタイムとして働き出してから住んでいるみんなとより密接に関わるようになってきた。
ここにいる男は殆どがタバコを吸ったり、草を吸ったりしているから、彼らの輪に入ると「ほら、お前も吸う?」みたいに渡される事が多々というか毎日ある。
後先考えずに貰ったものをスパスパ吸っていると自分のタバコが欲しくなった。箱だとひとつ20ドルくらいするので、自分で巻くタバコ(フィルター、紙、タバコ別々の)を買った。そっちの方が安く手に入る。ホステルにいる人も大体このタイプのタバコを持っている。
最初は巻き方が分からなかったから、吸おうとするたびに色んな人に巻き方を教わった。最初の方はヘンテコすぎて面白がって写真を撮られたりもした。
吸う本数が次第に増えていき、吸おうとするたびに巻くのはめんどくさいから新しくタバコ用のケースを買って空いている時間に何本か巻いてそのケースにしまっておいたりもした。
体に悪い物質は含まれているけど、ニコチンは体に良いし、タバコにはテストステロンを上げてくれる効果があったりするからまあいい、毎日ジム行けばと思っていた。というか今でも思っている。
タバコだけでなくホステルにいると、金土の夜にクラブに行く人たちが行く前に酔っ払うためにお酒を買ってきてそれを分けてもらったりしている。いつものように草も分けてもらったりもしている。
こんな感じでホステルの仲間たちと深い関係になっていくごとに吸う本数、飲む頻度は日に日に増えて行った。
その影響でしっかり寝た翌朝でも頭がものすごくリラックスして何もやる気が起きない時間帯があったり、少し気持ち悪くなったり、「歯黄色くなってないかな」と心配したりしてきた。何か物事を始める時にだるい気持ちになっていたりもした。
こんな日々が続いたある夜、もうやめようとまではいかないけどさすがににタバコ、草、酒を自制しないといけないなと思った出来事が起きた。
先ほどにも書いたように、僕は今住んでいるホステルでパートタイムとして働いている。仕事の内容はナイトパトロール。うちのホステルは夜中の騒音問題が酷くて、(夜中になるとリビングルーム/キッチンが閉まってしまうので、話し足りない人はみんな外に出てそこで大声で話したり叫んでいる奴らが一定数いる。)近隣住民が苦情を入れたりその人がスマホでビデオを撮って警察に提出したり、それで警察の車が頻繁に来て見回りをするようになってしまっているから、その対策として夜中うるさい人がいたら「静かにして」と言ったり、みんなが吸ってポイ捨てした吸殻を片付けたりしている。ホステルの隣にボクシングジムがあるんだけど、そこの前に座って話す奴らがいて、そいつらが去ったら空いたビールの缶やタバコの吸い殻が散乱しているからジムの人が毎朝そこを掃除しなければいけない状況にもなっている。11時から午前2時までパトロールとして働いている。お金をもらえる訳ではなく、宿泊費が割引されたり時々無料になったりする。
決してクラブのセキュリティみたいに強面な顔をして警備をしていなくても、みんなと一緒に静かにしてれば何をしてても良かった。みんなと一緒に草を吸ったり食べ物を食べたりビールを飲んだりする事ができた。
このホステルはフランス人勢、イタリア人勢、その他みたいに分かれていて僕はよくイタリア人勢らと一緒につるんでる事が多かった。彼らはとても仲間思いで一人ぽつんとしていたら、いちいちちょっかいを出してきたりする。本当に一人になりたい時は彼らが時々目障りの時はあるけれど。。
フランス人勢と違ってイタリア人らはみんな草を持っている。(別にこれが理由で彼らに近づいている訳ではない。)そこらへんの人、別のホステルの売人から買ったものではなくて、(書いていいのかなこれ)「背中が痛い」とか「死にたい」とか適当な理由を病院にネットから伝えると処方箋として良い草を手に入れる事ができる。そのネットのリンクを彼らは共有していてみんながそこから手に入れている。
彼らは一日中吸っているけど、特に夜は4本くらいをみんなで回してエンドレスに吸っている。
キッチン、リビングルームが閉まった後みんなが外に出て騒ぎ出しているところにパトロールをしに行くと、その日も普段のようにイタリア人から草を回してもらった。けどその日はすでに他の人からもらったお酒やタバコを吸いすぎて頭がクラクラしていた。物事を正常に考える事ができなかった。そんな状態でさらに回された草をスパスパ吸ったもんだから、パトロール中に目が開かなかったり、じっと立っていると勝手に体が右に回転したり、こっちを見ていないのに見られているような感じがして話しかけてしまったり、フランス語とイタリア語が左右で飛び交っているのを聞いてそれが呪文のように聞こえてきて脳みそが悲鳴を上げて吐きそうになったり、目を閉じたら高速で玉のようなものが頭の中で回っていたりとじっとしているだけで一苦労だった。とてもパトロールをすると言うような状態ではなかった。
変な挙動をしていないか自分で自分を心配したり正気でいようと気を張ったり、「ちゃんと座っているのかな今の自分」などの気を遣う必要があった。
その場に友達が何人かいたから「自分がへんな挙動をしていて、彼ら彼女らが「こいつおかしいやつなのか」と思われていたらどうしよう」と心配したりもした。
その日のパトロールは無事終える事ができたんだけど、翌日起きたら昨日のタバコ、酒、草がまだ抜けていなくてフワーッとした状態でキッチンに行って話しかけてくる人がいたけど、うまく会話をする事ができなかった。美人だなと前から思っていた女の子にも会ってしまってつまらない会話しかできなかった。あーーー
吸いすぎ飲み過ぎは良くないと思った。
「あいつへんなやつなのかな」と他人にならどうでもいいけど友達に思われていたらと考えると罪悪感が拭えなかった。せっかく築き上げてきた人との信頼をたった一日で失ってしまったのではないかと考えるとゾッとした。
その日は仕事に行けず何回か昼寝をしたりぼーっとしたりした。それ以外は何も出来なかった。ジムだけは毎日行くと決めているから行った。
タバコ、草、お酒を適量以上に飲んだり吸ったりしてしまうと人との信頼を失う可能性があると同時に、自分がリラックスするべきではない時でもリラックスしてしまう、自分で自分の状態をコントロールできなくなってしまう。
朝起きて”体のエネルギーがあるのに脳みそがうまく反応しないから何もできない”と言うとてもとてももどかしい状態になるからすごく快適ではないし、自分で自分をコントロールできない状態になるのはすごく不愉快。お腹いっぱい食べすぎてしまった時のようなあの感じ。
はあ、散々な夜だった。
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